北海道の炭鉱と言えば、「北炭(ほくたん)」
こんにちは!炭鉱が好きで炭鉱まちに移住しちゃったヤバイやつです!
日々炭鉱で楽しいっ!
さてさて今日は炭鉱を経営していた会社の中でもとある1つの会社に触れてみようと思います。
炭鉱で掘っていた「石炭」は戦後の日本の復興を支えた重要なエネルギー源。家庭ではストーブの燃料に使われ、製鉄の原料に使われ、発電の燃料に使われた(そして今も使われている)「燃える石」です。
そんな石炭を掘っていたのが炭鉱です。
▼「炭鉱とは?」という疑問はコチラのブログをご覧ください▼
日本国内で炭鉱と言えば、多くは九州と北海道に集中しています。
(なんか炭層がそうなってるとかなんとか?)
そして九州と北海道での炭鉱事情はちょっと違っていて、北海道で炭鉱巡りをしていると必ずぶち当たるのが
「北炭」
の二文字。
ほくたん…。なんだか名前はよく聞くけれど、お前は一体何者なの!?!?
…という北炭についてちょろっと触れてみたいと思います。
目次
「北海道炭鉱汽船株式会社」という会社
住友にあった北炭の気配……★ pic.twitter.com/cmZEfc7fvS
— vかにv@炭鉱赤平Life (@ka2_design) March 30, 2019
「北炭(ほくたん)」は「北海道炭礦汽船株式会社(ほっかいどうたんこうきせんかぶしきがいしゃ)」という会社の略称です。(最終的には)(社名が何回か変わってるんで)
開拓期から深~~~~く北海道の炭鉱に関わっている会社のため、北海道の炭鉱を調べる上では外せない存在です。
そして、名前を見ても分かる通り北海道の炭鉱に関わる会社のため九州には見られない…と思う会社です。
会社の成り立ちなどは調べれば腐るほど資料が出てくるしWikipediaもあるし(え笑)、ここでは詳しい話は省略しますが、少しだけ触れるとすると
- 国が莫大な資金を投じて作った国営の炭鉱(幌内炭鉱)を超安くもらう(だって北炭作ったのは元道庁の偉い人だもんねー)
- 鉄道(幌内鉄道)も一緒に超安くもらう(だって以下略)
- 鉄道持ってるの北炭だから他の炭鉱には鉄道貸さないもんねー→北炭一強
- 良い石炭が出る夕張などをガンガン買収
- 鉄道が国有化されて国鉄になる
- 鉄道が使えるようになって財閥が進出→北炭も三井グループになる
- ガンガンやった結果ガンガン事故を起こす
- 炭鉱を経営分離して子会社化とかするも倒産していく
- でも関連会社の三井観光ではグランドホテルとかSTVとかはやるもんねー
- 破産状態になって会社更生法を申請
- 更生手続きは終わって今も会社は存続中
という、政府とガッツリ癒着したような会社が払い下げでめっちゃ良い待遇を受けて炭鉱を運営し、大財閥と合併して色んな事業を進めてそのうちエネルギー政策の転換やら事故やらの影響で炭鉱をやめたって感じの会社です。
成り立ちがドロドロなら事故の話とかもかなりドロドロなもんで、結構なかなかスゴイ会社なんです。
トレードマークは
社章の星のマークっ★
それでは「北炭」の見て楽しい遺産を紹介(夕張以外)
ということで、北炭の成り立ちを見ても分かる通り政府と超仲良し(意味深)な会社だったということもあって北炭は北海道の中でもかなり良い場所をおさえていました。
炭鉱って本当に一時期ものすごーい数あったので、今も見れるおススメの北炭の産業遺産をご紹介します。
なんかロクな写真が無いんですけど
「北炭 幾春別炭鉱 錦立坑櫓」
空知総合振興局の「そらち炭鉱(やま)の記憶をめぐる」のページから引用でご紹介します。
1919(大正8)年に建設された現存の道内最古の立坑(高さ約10m、深さ195m、内径4.5m)。現在、北炭のマークが入った立坑櫓、巻揚げ機室が残っている。内部の機械等は撤去されているが、その貴重な姿をとどめている。三笠市立博物館「野外博物館」の森林鉄道跡サイクリングロード沿いにある。道路下の川沿に錦坑坑口がある。
そらち炭鉱(やま)の記憶をめぐる_北炭幾春別炭鉱錦立坑櫓 | 空知総合振興局地域創生部地域政策課
まずは北海道最古の立坑やぐらを見るべきでしょう!なんせ「野外博物館」として整備されていますし、無料で見ることができるし、難易度が超低いので訪れるのが簡単すぎます。
ちなみに今は社章もきれいに付け直されているそうなので、★マークを見て「おぉ~!」って言いに行ってほしいです。
秋に行ったときは紅葉がキレイでしたよ。
続きまして、錦立坑のついでにチラッと眺めたいのがこちら
「北炭幌内炭鉱立坑櫓」
赤くて炭鉱名と(崩れかけてるけど)社章が入っていて、洗濯ばさみをひっくり返したような形がチャーミング!!
詳しい話は
そらち炭鉱(やま)の記憶をめぐる_北炭幌内炭鉱立坑櫓 | 空知総合振興局地域創生部地域政策課
こちらを読んでもらえたらと思うのですが、現在は民間会社の所有となっているため道端から遠巻きに眺めるしかありません。
錦立坑もそうですけど、この幌内の立坑の形も北海道で現存しているのはここだけなので、ぜひ見ておいてほしい逸品(!?)です。
ちなみに幌内炭鉱は色々残っていて、公園やら神社やら発電所やら駅やら見どころが多すぎるのでこの辺のリンクをご参照ください。
そらち炭鉱(やま)の記憶をめぐる_幌内炭鉱景観公園(北炭幌内炭鉱施設跡地) | 空知総合振興局地域創生部地域政策課
そして外しちゃいけないのが、わが町赤平にあった北炭の炭鉱。
「北炭赤間炭鉱」
このコンクリートの物「選炭機跡」以外に炭鉱っぽい物が残ってないのが残念なのですが、立派な北炭の炭鉱跡なのです!
ちなみにこの炭鉱の「ズリ山」は777段の階段が整備され、頂上からはまちが一望できます。
炭鉱の詳しい話はこちらでどうぞ(丸投げ)
北炭赤間炭鉱選炭工場跡 - あかびら炭鉱の歴史 - episode3 炭鉱遺産|赤平観光協会
ここは駐車場、無料トイレ完備でドライバーさんの休憩スポットになっていたり、ズリ山は体力づくりのお年寄りの憩いの場になっていたりと、まちにすっかり溶け込んで(!?)利活用されている遺産となっています。素晴らしい。
尚、どうせ赤平に来るならこちらもどうぞ(宣伝)
つづいてのオススメは…
「え?こんな山の中にビル?」
いいえ、これは
「 空知炭鉱」の立坑やぐらなんです。
元々は北炭の炭鉱でしたが、経営分離して「空知炭鉱㈱」となって、現在も同会社の所有のため見学などはできません。道路っぷちから指をくわえて眺めましょう。
ちなみに外壁でおおわれているだけで、あの壁の中には他の立坑やぐらと同じく鉄骨でできたやぐらが入っているそうです。見たい…。
そらち炭鉱(やま)の記憶をめぐる_空知炭鉱立坑 | 空知総合振興局地域創生部地域政策課
その他にもコアなファンの多い
「万字炭鉱」も北炭の炭鉱でした。
…が、なんと私が行ったことないということに気づきました。笑
そらち炭鉱(やま)の記憶をめぐる_万字炭山森林公園(選炭場跡、ズリ山) | 空知総合振興局地域創生部地域政策課
今度行ってみます。
「北炭」の牙城、夕張市
夕張と言えば北炭…というくらい夕張にはこの北炭の経営していた炭鉱がたくさんありました。(三菱大夕張についてはここでは触れないよ!)
そんな北炭の炭鉱の中でも最もおススメなのは
夕張市石炭博物館でしょう!!!
この写真右側の「立坑やぐら」風の物は「北炭夕張新鉱」のレプリカです。なんせこの博物館の辺り一帯が北炭の炭鉱があった場所だったんです。
ここがおススメの理由は、お金さえ払えば本物の坑道(地下トンネル内)に入れるし、炭鉱で使われていた機械が動く状態で見れるし、なんなら坑道(トンネル)の入り口の「坑口」も見れるし、石炭の層も見れるし、とにかく安全に合法でリアルを楽しめるという点です。
ちなみにこの博物館の奥には「石炭の歴史村」として営業していた遊園地の廃墟がありますが立ち入り禁止です。
SNSで見かけたら通報です。(え
……とまぁここでは廃墟は置いておきましょう。とにかく、この敷地内はまるまんま夕張の闇(?)の歴史と炭鉱の史跡がギュッと詰まっていて他にも色々あるので色々見落とさないように見て回ってくださいね。
▼こちらもどうぞ▼
博物館の話が長くなってしまいましたが、他にもあります夕張!
北炭清水沢火力発電所
こちらは「一般社団法人清水沢プロジェクト」さんが管理・公開しており合法で楽しめる産業遺産です!詳しくはWEBページに詳しく載ってます。
北炭発電所まであったのかよ…すげぇな…
と思われるかもしれませんが、結構あります。なんせ炭鉱は燃料を掘ってるわけだしガスも出ますし。炭鉱でどうせたくさん電気使うし、自家発電しちゃえ~ってことですね。
他にもたくさんありすぎるのでざらーっと紹介!
歴史や事故は自分で調べてね!(おい)
「おぉ~、本当に北炭って書いてる~!」スポットです。
上記3件はこの辺↓
続いて
2015年に行ったら工事してた……けど、窓の☆マークが見れただけでも満足です…。
こちらも外観のみの見学ですが、公園内にあるので行くハードルが低くついでに見ていける感じなのでおすすめ。
場所→https://goo.gl/maps/vbqmPgu7eQr
詳しくは
そらち炭鉱(やま)の記憶をめぐる_旧北炭楓坑発電所 | 空知総合振興局地域創生部地域政策課
なんかどうやらこないだ倒壊したみたいです…。
場所→https://goo.gl/maps/Z6mRnGWNL4y
他にもありすぎなのでリンクで紹介!
例の映画と昔の炭鉱住宅を見たいなら「黄色いハンカチ思い出ひろば」
最近中国系企業に買い取られた北炭の迎賓館「北炭鹿ノ谷倶楽部」
などなど、他にもあるんですがこんな感じです!
夕張には北炭の痕跡がたーーーーっくさんです。
まとめ
そういえば紹介忘れてたけど↑コレは岩見沢駅の裏にある北炭の工場跡です。今はJRの持ち物なので外観のみ見学可能…。
…ということで!
北炭について&北炭めぐりを紹介させてもらいましたが、お分かりいただけたでしょうか!
歴史がかなり闇だということと、炭鉱は常に事故と隣り合わせではありますがその経緯や内容がかなり闇だということ、そして閉山後も相当数の建物を放置している闇っぷり。
しかし遺された建物たちは魅力的な遺産ばかり…!!
そしてそういえば、北海道開拓使のマークって★だよねー、とかサッポロビールのマークって★だよねーとか、北炭は調べ始めるときりがないとっても北海道の炭鉱の歴史にとって大きな存在なのです!
ぜひ皆さんも調べて、探して、道内の「★」めぐりをしてみてはいかがでしょうか!