「炭鉱」とは一体何なのか
こんにちは、「炭鉱」が好きすぎて炭鉱まちに移住しちゃったヤバイ女です。
さて、今日のブログのテーマは
「炭鉱とは何か」。
恐らく炭鉱好きの皆さんならすぐに「炭鉱とは〇〇〇だよ!」とお答えになることができることでしょう。しかし私はこの「炭鉱とは何か」を考え始めるといつも答えが出てこなくなってしまうのです。
今回はそんな話です。
目次
辞書的意味の「炭鉱」とは
「炭鉱」って聞くと、恐らく最も最初に出てくるイメージはツルハシで石炭を掘りだす姿でしょう。これはある意味間違ってはいないのですが、100%の正解でもないと思っています。
そうだって皆さんは人に
「私〇ィズニー好きなんだっ!」
…って言われたらどう思いますか?
興味ない人は「へ~」で終わるかと思いますが(これは炭鉱でも共通です笑)、ちょっと分かる方は聞きますよね?
「ディ〇ニーってディズ〇ーランド?シー?キャラ?映画?何の??」
…つまり炭鉱もそういうこと。(どういうこと)
「炭鉱」ってかなり広義だと思うんですよ。
ちなみにWikipediaで調べるとこんな説明が出てきます。
炭鉱(たんこう、coal mine)は、石炭または亜炭を掘り出すための鉱山のこと。
なお、しばしば上記意味に対し、炭鉱と同じ読みの炭礦の表記が当てられる。その理由として石炭が金属ではなく、その採掘地を金属鉱山とも呼べないため、漢字の偏が「金偏」ではなく「石偏」となるのが正しいためとも主張される。また、石炭採掘の坑道という意味で通常用いられる炭坑もしばしば炭鉱を指すために使われる。
炭鉱 - Wikipedia (2019年2月現在)
簡単に言うと、炭鉱は鉱山のことということのようです。
それじゃ鉱山とは
鉱山 - Wikipedia (2019年2月現在)
『鉱物を採掘・選鉱・製錬する事業所の事』
そう、事業所の事なんです。
そう!コレ↑だけが炭鉱じゃないんですよ!!
具体的に炭鉱を構成しているもの
ということで、「事業所」マルっと炭鉱だということをご理解いただいたところで、具体的には「炭鉱」に何が含まれるのでしょうか?
はいこちら。
「住友赤平開坑三十年」(昭和43年発行)という本の最初の方に資料として乗っている組織図を拝借いたしました。これだけたくさんの組織が一つとなって「炭鉱」を作っていたんですね。
石炭を掘るために材料を用意して、採掘するためのトンネルを掘って、電気や設備を整えて、実際に石炭を掘って、それを運んで、製品化して、出荷。そのためにた~~~っくさんの人が関わっていたということです。
なので、先ほども例に出しましたが
「私〇ィズニー好きなんだっ!」
って言われるのと同じノリで
「私炭鉱好きなんだっ!」って言うと
「炭鉱って採炭?保安?文化?建物?何の??」
ってなるということなんです。(なるか?)
「見て楽しい炭鉱」は
私の趣味は「炭鉱巡り」です。各地の「炭鉱」を見るのが好きで、とりわけ自分の住んでいるまちの「住友赤平炭鉱」を愛してやまないわけです。
▼住友赤平炭鉱LOVEについてはこちらをご参照ください。笑
それじゃ私の「見て」巡っている炭鉱について一部紹介しましょう。
【立坑やぐら】
【自動】
— vかにv@赤平と炭鉱 (@ka2_design) February 19, 2019
地下深くまで掘っていた炭鉱から物資や人や石炭などを運搬するために作られた垂直の穴「立坑(たてこう)」には巻き上げ機を備えた巨大な立坑やぐらが作られた炭鉱もあります。
炭鉱によって違う形を見るのも醍醐味!pic.twitter.com/8bp7LnjuCr #bot
▲私のツイートより
まずは「立坑やぐら」がおススメです。理由はでかくてかっこいいから。
炭鉱だけにある建造物というわけではありませんが(縦穴を掘る時はよく使うらしい)、炭鉱ではとりわけ重要な存在ともいえますし、何よりまちのランドマークになっていることが多いです。
この立坑やぐら以外にも炭鉱にある特徴的な施設はいくつかあって、選炭工場跡やズリ山(ぼた山)、「シックナー」というものの跡は比較的残っていることが多いです。
また、ほとんどの炭鉱は鉄道とセットになってますので、そちらもファンの多いジャンルになっています。
続きまして…
【坑口(こうぐち)】
これはとりわけ、インディージョーンズに憧れてしまったすべての昔のキッズにおすすめする炭鉱遺産なのですが、炭鉱は当然地中を掘るのでトンネルの入り口があるわけです。そのトンネルの入り口を「坑口」と言います。
その中にトンネル(坑道)が続いている訳ですが、基本は閉山時に坑口は密閉するのが決まります。
このように基本的にはコンクリートなどで密閉されていて、ガス抜きのために管が出ているだけの物が多いのですが…
経年劣化でこんなんなっている坑口もあります。ちなみにこちらは中はすぐ土で埋まっちゃっているのですが、こういうのをみると洞窟探検的なワクワク感を感じちゃいますよね!
そして「あ~炭鉱来たなぁ~~っ!」と感じられますよね。
私は暗くて狭いところ苦手なので無理ですけどね!
【炭鉱で使われていた機械類】
炭鉱と言えば、そこで使われていた機械類も魅力のひとつです。
ここでは超さらっとしか触れませんけど、こちらも会社や炭鉱によってたくさんの種類があって、何よりこれだけでなんか強そう(!?)なメカ類は幼少のころ合体しちゃったりするロボット的な物に憧れた元キッズには響くに違いありません、
【炭鉱で使われていた建物】
他にも様々な関連施設があり、明治~昭和のたっくさんの建物を見ることができます。なんだかモダンだったり、一方で既に廃墟(ていうか基礎しかない)だったりと、古い建物の好きな方にはたまらないでしょう。
炭鉱好きになりすぎると、炭鉱の事務所だったとか売店だったとかそんな「どこにでもあるけど炭鉱に使われてた」っていう建物でも愛しくなります。(こわっ)
【炭鉱住宅(炭住)】
また、炭鉱には数千人規模の社員を抱えるものも多く、ほとんどの炭鉱には社宅「炭鉱住宅」があったので、住宅フェチはこれを眺めるのも非常に楽しいです。同じ形の建物がずら~っと並ぶ様は、その炭鉱の規模をまさに目で感じることができます。
炭鉱住宅は建てられた時代や炭鉱を経営していた会社によってもかなり形が違うので、それを比べるのもまた面白いかと思います。
「炭鉱を見る」とは一体どういうことなのか
確かに「炭鉱」は目に見ることができます。
いえ、正確には目にも見ることがでるんです。
炭鉱は本当にたくさんの要素を含んでいて、「炭鉱の〇〇」となるとめちゃくちゃたくさんのものがあるということが分かっていただけたかと思います。
こんな規模の「事業所」が全国あちらこちらにあったもんですから、そこには独特の文化がありました。炭鉱がまちを作った…みたいなところもいくつかあるぐらいなんです。(企業城下町、トヨタみたいな感じで)
「農家」とか「漁師」みたいな感じで「炭鉱夫」というものが存在してた……と言えばなんとなくイメージ付くでしょうか?
例えば特有の食文化があったり
使っていた言葉があったり…
他にも生活文化や気質、音楽……そんな無形の「炭鉱」もたっくさんあったんです。
そんなものをぜ~~~~~んぶひっくるめて「炭鉱」なんですよね。
そう、炭鉱は目に見えるものだけが全てじゃない…
また一部だけを見て炭鉱を語ることも難しい…
空よりも広く、海よりも深い、それが炭鉱…!!
……は完全に言いすぎだし地下掘ってんだから当然海よりも深いんですけど笑
とにかくなんだかデッカイもんだということが分かっていただけたでしょうか!?
ぜひちょっとでも気になった方は、炭鉱まちに来て、見て、触って、食べて、聞いて、会話して、五感を全て使って炭鉱を「感じて」みてもらえたら嬉しいです!
Don't think, FEEL!!!!
(あれっ、どこかで聞いたことあるセリフだな)